低糖質ダイエット 3つの注意点

こんにちは!トレーナーの山内です。

最近お客様と話していて、糖質制限ってやりすぎると結局リバウンドするよね〜という認識が徐々に浸透している気がします。

ですがなんとなく皆さんの心の中で

「糖質は控えたほうが良い」

「糖質を減らすと体重が減るからやめられない」

という気持ちがあるんじゃないでしょうか。

その気持ちはわかります。

確かに糖質減らすと体重減るんですよね。

ただ、体重が減ったからといって体脂肪が減ったかというとそうでもありません。

人間は主に糖質を使ってエネルギーを作り体を動かしていますが、

糖質が体内に入ってこないと筋肉を分解してエネルギーを作るようになります(ここの話は少しややこしいので別の機会に詳しく説明します)。

また、糖質には水分がひっついていますので糖質を摂らないと体内の糖質と水分がどんどんなくなっていきます(後ほど詳しく説明します)。

糖質制限をして1ヶ月で5kgヤセました!という方の5kgの内訳を見てみると、

体脂肪が1kg減って、残りの4kgは水分や筋肉が減っていたなんてことは多々あります(糖質制限をしてヤセた方って顔や体に張りがなくなっていますね)。

筋肉が減ってしまうと基礎代謝が下がってしまいますので、太りやすい状態になってしまいリバウンド・・・

糖質制限をした方の大半がリバウンドしてしまう理由は、我慢していた反動で食べてしまうだけでなく、筋肉量が減って代謝が下がってしまったこともあると思います。

他にも糖質を減らしてしまうことで起きる問題が多々ありますので、

ウェルボでは糖質を減らすダイエット法はオススメしていません。

今回は、糖質制限ダイエットを続けると体にどんなことが起きるのかと、どんな糖質をどれぐらい摂ったら良いかをお伝えします。

1 体内の水分が少なくなり栄養素が運べなくなる

白米や麺類などの糖質を摂ると胃腸で消化、吸収されグリコーゲンという形で体内に貯蔵されます。

グリコーゲン1分子につき水が3分子ひっついていますので、糖質を摂ると水分も一緒に摂っていることになります。

逆に言えば、糖質を摂らないでいると体内のグリコーゲンは利用されてどんどん減っていきますので、水分もどんどん抜けちゃうんですよね。

体内の水分が減ると肌が乾燥してきたり(かかとがガサガサになる、唇が乾くなど)、血液がドロドロになりやすくなり、血液を流れる栄養が運ばれにくくなります。

脂肪を燃やす際には栄養が必要になりますので、痩せにくくなるということです。

「糖質制限を始めて最初の2〜3ヶ月は体重が減っていたんですけど、そこから全く減らなくなりました」という話をよく聞きますので、

恐らく栄養が上手く運搬できなくなって痩せにくくなったんじゃないかと思います。

体内の水分量が少ないかどうかは血液検査の結果を見ると分かりますよ。

以下の数値より多い場合は水分不足が疑われます。ご自身の健康診断の結果と照らし合わせてみましょう。

赤血球数(RBC):男性445 女性435

ヘモグロビン(Hb):男性14.5 女性13.5

※赤血球が白血球や血小板に比べて多い状態を相対的赤血球増多症と言います。血液の粘度が高くなり、細い血管に血液が詰まって脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなると言われています(参考:http://www.health.kobe-u.ac.jp/tayori/tayori-42.html

また、糖質が少ないだけでなく水分摂取が少なくても同じことが起きる可能性がありますので、普段からしっかり水分を摂りましょう。

日本の環境ですと1日に2〜2.5ℓ必要と言われていますが、

3度の食事で約900ml摂っており体の中で約300ml作られますので、最低でも800ml〜1.3ℓの水分を摂る必要があります(食事から水分が取れていない方は1.5ℓを目安に摂りましょう)。

皆さん水分は摂れていますか?

2 胃腸の負担が増えて腸内環境が悪化する

胃もたれや便秘がある方には、特に糖質制限はオススメをしていません。

糖質制限をしている方の中には、糖質を控える代わりに肉や魚、卵をしっかりと摂っています!という方がいらっしゃるのですが、

動物性の食材、食品は脂質が多いため消化するのが大変で胃腸にすごく負担がかかります。

元々胃腸の調子が良くない方が動物性の食品を摂りすぎると、胃で上手く消化できずに腸へ流れ込んでしまうため腸内環境が悪化してしまいます。

腸内環境が悪くなると食べた物が上手く消化、吸収されずに体内へ栄養素を取り込めないので、痩せにくくなってしまいます。

糖質制限を始めて胃がもたれたり、お腹を下したり、ガスが溜まるようになった方は、胃腸が弱っている可能性があるので糖質制限は向いていません。

話は変わりますが、タンパク質がなかなか食事から摂れない方にプロテインをオススメしていますが、

飲んだ後にお腹が張ったり、お腹の調子が悪くなる方がいらっしゃいます。

こういう方も胃腸が弱く消化できていないので、飲む量を減らすか、少量の食べ物からタンパク質を摂りましょう。

オススメのタンパク質が豊富な食材・食品はこちら。

3 糖質を上手く使えない体になる

人間は食べた物からエネルギー(ATP)を作って、それを使いながら生きています。

主なエネルギーの材料が糖質になるわけですが、糖質を摂らないでいると糖質からエネルギーを作ること(糖代謝)が苦手になっていきます。

人間って使わない機能はどんどん衰えていくんですよね。

普段糖質を控えている方でも、友達と外食でご飯やパスタなどを食べたり、カフェでスイーツを食べたりして、時々糖質を摂ると思います。

普通であれば上手く処理されてエネルギーになりますが、糖質制限をしている方はたまに摂った糖質が処理できずに脂肪として蓄積されます。

つまり、少し糖質を摂るだけで太りやすくなるということです。

太りやすくなるだけでなく、食後すぐに眠くなったり、肌荒れが起きたりします。

そうすると、どんどん糖質を避けるようになって糖代謝能力が落ちていくという負のスパイラルに陥るんですよね。

もし、糖質を摂った後に色々な症状が出る方は、少しずつで良いので主食を増やしていきましょう。

どれぐらいの量を食べたら良いのかは今から説明していきます。

1日に摂っても良い糖質の量とは

よく皆さまには、1日3食白米を摂っても太りませんよ!とお伝えするのですが、あまり信じてもらえません泣

ですので、今からモデルケースを使って詳しく説明していきます。

このAさんは目標を達成するためには1日に1,500kcal食べても良いのですが、

糖質は全体の50〜60%が理想とされていますので、1日に750〜900kcal分の糖質を食べても良いことになります。

白米150g(普通盛り)を3食たべた場合約700kcalになりますので、ダイエット中でもしっかりとご飯は食べても問題ないことがわかります。

ただ、過去に長期間糖質制限をしていた方や現在も控えている方は、先ほどお伝えをした糖を代謝する能力が落ちている可能性があり、

いきなり増やしすぎると体調が悪くなったり体脂肪が増えてしまうかもしれません。

3食のうち1食も糖質を摂っていない人は、まずは1食から始めましょう。

2食の方や3食摂っているけれど量を減らしている方は、今よりもう少し増やしてみて下さい(ダイエット中の方はまずは120gまで増やして、体重が増えなければ150gまで増量)。

どんな糖質がベスト?

糖質は食べてOKですよ!というお話をしてきましたが、どんな糖質でもホイホイ食べて良いというわけではありません。

すぐに消化、吸収されて血糖値が上がりやすい食べ物は脂肪として蓄積されやすいので、ダイエット中はあまりオススメをしていません。

血糖値の上がりやすさはGI値やGL値として確認することができます(GI値やGL値が高いということは血糖値が上がりやすいということになります)。

GI値:食品に含まれる炭水化物量(50g)を摂取した際の血糖値の上がり方を示した数値

GL値:食品一人前ごとの血糖値の上がり方を示した数値

GL値の方が実生活に活かしやすいので、GL値を参考にして食品を選びましょう。

主食ですと、玄米・雑穀米・そば・うどん・そうめん・全粒粉のパン・ライ麦パン・オートミールがGL値が低くてオススメです。

穀類

食材・食品GI値GL値
白米7541(150g)
玄米6634(150g)
もち8241(切り餅2個)
煎餅9116(2枚)
そば5924(1玉)
うどん6232(1玉)
そうめん6222(1束)
インスタントラーメン7340(一袋)
パスタ5832(1食)
食パン8924(6枚切り1枚)
クロワッサン6717(大1個)
フランスパン8013(1切れ)
ベーグル6923(1個)
全粒粉パン7410(1枚)
ライ麦パン629(1枚)
ホットケーキ6754(2枚)
コーンフレーク7916(1食)
オートミール5914(1/4カップ)

軽食、お菓子

食材・食品GI値GL値
マックのハンバーガー6621(1個)
カレーライス6783 (1皿)
ピザ5424(1枚)
ポテトチップス6020(1袋)
アイスクリーム6828(1カップ)
板チョコ429(1枚)
クッキー7723(5枚)
ショートケーキ8224(1個)
大福8842(1個)
ドーナツ7523(1個)
焼きそば5535(1皿)
マフィン4612(1個)
ポップコーン5514(1袋)

飲み物(1杯)

食材・食品名GI値GL値
牛乳343
豆乳(無調整)443
トマトジュース332
オレンジジュース5512
コーラ6325
アクエリアス4311
ビール667
日本酒353
赤ワイン320
白ワイン321

最後に

今まで沢山の方のカウンセリングをしてきましたが、糖質を気にして主食を減らしすぎている方が多かったので、今回糖質制限のデメリットについてお伝えしました。

糖質制限はもともと糖尿病の方向けの食事法なので、

健康な人が必要以上に糖質を減らしてしまうと体に様々な問題が起きてしまいます。

糖質=悪ではなく、体にとって必要な栄養素ですからね。

有酸素運動や筋トレをすると糖質を利用しやすい体になると言われています。(参考:糖尿病情報センター

糖質をしっかり摂りながら運動して、糖質を摂っても太らない体を一緒に作っていきましょう

※脅すわけではありませんが、糖質制限のデメリットが次々と論文として出てきています。一応載せておきます。

1週間の炭水化物摂取量が総摂取カロリーの45%未満だった人は、インスリンの前駆物質であるc-ペプチドの上昇と、炎症を促進するインターロイキン6やインターロイキン17Aの分泌と正の相関があった論文はこちら

→インターロイキン6はインスリン抵抗性と2型糖尿病を引き起こす要因として知られています

糖質制限が筋トレのパフォーマンスと筋肥大の効果を減少させる可能性を示唆した論文はこちら

→筋肉量を少しでも増やしたい方はタンパク質だけでなく糖質もしっかり摂りましょう