睡眠に関する論文(更新日 : 2023/9/14)

今まで読んだ論文の中で役に立ちそうなものを厳選して載せております。ダイエットや健康増進の参考になれば幸いです(情報は随時更新しています)。

基本的に英語論文を引用しておりますが、もし間違った解釈をしている場合は教えて頂けると助かります。

睡眠不足の原因とダイエット・健康への影響

カロリー制限ダイエットをしていても、睡眠不足だと脂肪量が減りにくく、筋肉量が減りやすくなる論文はこちら

→睡眠不足になると、食欲を増進させるホルモン(グレリン)が増加し、食欲を抑えるホルモン(レプチン)が低下すると言われています。また、ジャンクフードや甘いものへの欲求が高まることがわかっていますので、ハイカロリーかつ低タンパクなものを食べてしまう結果、脂肪が減りにくく筋肉が減りやすくなってしまうのだと考えらます。

睡眠不足は食欲を高めて体重の増加に寄与する論文はこちら

→こちらの研究では、平均睡眠時間が6.5時間未満の方を集めて、2週間ほど8.5時間に伸ばしたら甘いものや塩辛いものへの欲求が62%減ったと報告されています。

規則正しい睡眠習慣から、一晩の不規則な睡眠制限を行うと、翌日のエネルギー摂取量が増加し、脂肪とタンパク質の摂取量が増え、空腹感を感じるようになる論文はこちら

→1日の睡眠不足でも食欲が乱れるようです。

一晩の徹夜は筋肉の元となる筋タンパク質の合成を妨げる論文はこちら

→一晩寝ないだけでも筋肉が作られにくくなるようです。筋肉量を少しでも増やしたい方は早く寝て下さいね。

睡眠不足は筋タンパク質合成を抑制し、筋肉量の減少につながる可能性がある論文はこちら

→筋肉量を少しでも増やしたい方は、1日7時間以上寝るように心がけましょう。

睡眠時間が多くても少なくても全ての病気による死亡リスクは増加するが、そのリスクを有酸素運動と筋トレを行うことで減らすことができ、最適な睡眠時間(7~9時間)で有酸素運動と筋トレを行っていると死亡リスクが最も減少する論文はこちら

→睡眠不足は万病の元です。慢性的に睡眠不足の人は、1)タンパク質をしっかり摂る 2)できれば毎日10分は日光に当たる 3)寝る直前にご飯を食べない この3つを意識して生活してみましょう。

睡眠時間が短すぎても(5時間)長すぎても(12時間)2型糖尿病の発症リスクが高まる論文はこちら

→寝過ぎても良くないというのは意外ですよね。

睡眠時間が6時間以下の短時間睡眠は、記憶力低下やアルツハイマー病に関与するアミロイドβの増加と関連しており、9時間以上の長時間睡眠も認知の低下と関連している記事はこちら

→こちらの研究でも寝過ぎは良くないという結果が出ています。

睡眠不足だとポジティブな社会的感情や他者とのつながりへの欲求が減少する論文はこちら

→睡眠不足はヤセにくくなるだけでなく色々な面で悪影響を与えますので7時間は寝ましょう。寝たくても寝られない方は、以下の方法を試してみて下さい。

睡眠不足は全ての病気による死亡率の増加と関連しており、運動不足により悪化し、相乗効果がある可能性が示唆された論文はこちら

→睡眠&運動不足の方は、どちらかだけでも良いので改善することをオススメします。

運動不足と睡眠不足の成人は全ての病気による死亡リスクが上昇する論文はこちら

→よく寝てよく動きましょう。

睡眠不足を解消する方法

カロリー制限ダイエット中にタンパク質の摂取量を増やすと、睡眠の質が改善することが示唆された論文はこちら

→タンパク質(トリプトファン)はセロトニンというホルモンの材料になりますが、セロトニンは睡眠を促す作用のあるメラトニンの合成を促します。なかなか寝れない!という方は、とりあえずタンパク質の量を増やしてみましょう(タンパク質が豊富な食品はこちらにまとめています)。

乳製品、果物、野菜は睡眠の質を高める可能性があるが、糖分の多い食品や肉の摂取量が増えると質が低下する可能性がある論文はこちら

→論文内で明確な理由は述べられていませんが、乳製品はタンパク質が豊富なため睡眠に関わるホルモン分泌が促され、果物や野菜は食物繊維やミネラルが豊富なため腸内環境が整いタンパク質を吸収しやすい状態になるため睡眠の質が高まるのではないかと思います。

炭水化物の摂取量が少ないとノンレム睡眠(深い睡眠)が増加し、炭水化物の摂取量が多いとレム睡眠が延長される。論文はこちら

→炭水化物の量と質(GI、GL値)の変化が睡眠の質に影響を及ぼすという研究です。

ノンレム睡眠とレム睡眠について簡単に説明しますが、レム睡眠では脳が活発に働いており記憶の整理や定着が行われ、体が最も休まる時間と言われています。ノンレム睡眠は脳の疲労回復のために必要で、3つの睡眠段階(N1、N2、N3)に分けられ、N1とN2は浅い眠り、N3は深い眠りに分類されます。

まずはノンレム睡眠から始まり一気に深い眠りに入ります。眠りについてから1時間ほど経つと、徐々に眠りが浅くなりレム睡眠へと移行します。90分の周期でノンレム睡眠とレム睡眠を3〜5回繰り返し、徐々にレム睡眠が増えていきます。

炭水化物を減らすと、食後にコレシストキニンというホルモンの濃度が上昇しますが、コレシストキニンは深い眠りを促すと言われています。

寝る1〜2時間前に10分程度のシャワーを浴びたりお風呂に入ると寝つきが良くなる論文はこちら

→2時間以上前だと効果が少なく、1〜2時間前が一番良いようです。

最低週2回、30分以上の定期的な運動と高タンパクの摂取の組み合わせが、良好な睡眠の質に寄与する。運動はセロトニンレベルを上昇させ、必須アミノ酸のトリプトファンはメラトニンの合成を促し、睡眠の質を改善させる論文はこちら

→睡眠の改善には運動+タンパク質が必須です。同じ動きを繰り返すリズミカルな運動だとよりセロトニンが出やすいです(散歩、筋トレなど)。

睡眠の質の向上は、精神的健康、うつ病、不安、ストレスなどのメンタルヘルスの向上につながる論文はこちら

→睡眠不足は、感情をコントロールする働きが低下したり、ストレスに対抗するホルモンの分泌が不十分になるため、イライラしたり不安を感じやすくなります。睡眠についてより詳しく知りたい方はこちらのサイトをご覧ください。