ダイエット業界の闇について
皆さんこんにちは!トレーナーの山内です。
医療職を辞め、トレーナーとして働き始めて7年経ちますが、
この世界に入ってまず感じたことは、
「ダイエット業界は何でもアリだな」ということ。
医療の世界では、効果を宣伝するための広告などは法律で厳しく規制されています(医療法)。
また、保険を使っての医療行為は、現時点で最も根拠のある方法を用いるという考えが根底にあります。
ダイエット業界はというと、
効果を謳う広告に対しての法律はありますが、正直あってないようなもので、完全に無法地帯になっています。
そして、根拠の怪しいダイエット法や、必ずリバウンドしてしまうような指導が見受けられます。
今回は注意喚起として、その一部を皆さんにご紹介したいと思います。
今回の内容は特定のサービスを非難しているわけでなく、あくまで事実ベースでお伝えしております。
根本的な問題とは
ダイエット業界は構造上どうしても生じてしまう、ある問題を抱えています。
ダイエット指導者はお客様からお金を頂き、痩せるための運動や食事指導を主に行いますが、
やはりお金を頂く以上、結果を出さないといけません。
結果が出ると、「あそこに通ったら痩せたよ〜」と口コミに繋がり、売り上げが上がります。
逆に結果が出ないとクレームが出ることも。
ですので、傾向として誰がやっても絶対結果が出るような、マニュアル化された厳しい指導内容になってしまいます。
よく聞くのが、
「今から3ヶ月間、ご飯は1食80gで。おかずはこちらが指定するものを作って食べて下さい。間食とお酒はなし。水は必ず1日2ℓ飲んで下さいね。」
というような、決まった食事内容、生活スタイルを続けるというもの。
そりゃ続ければ誰でも痩せますが、
指導が終わった後のことは全く考えられていないように思えます(カウンセリングの時にリバウンドする可能性が伝えられていれば問題ないと思いますが)。
リバウンドしてしまった人は、
「やっぱり自分は誰かに見てもらわないといけないんだ」と思い、再度指導者を探し始めます。
違うんです。
リバウンドしないような生活スタイルを指導者と一緒に考え、身につければ誰かを頼る必要はなくなります。
もし周りのお友達で、パーソナルジムに通おうとしていたり、ダイエット系のサービスを受けるか悩んでいる方がいれば、
自分の生活に合わせた指導をしてくれる人(寄り添ってくれる人)を選んだら良いとお伝え下さい。
体重が増えた原因はなんなのか?
なぜ食べ過ぎてしまうのか?
食べ過ぎた場合はどう調整するのか?
細かくその人の生活習慣を分析して、対策を一緒に考えてくれると思います。
余談ですが、ダイエット業界あるあるで、
「人生最後のダイエット」と謳っているジムが全国にありますが、
なぜか最後のダイエットにならない(内容がめちゃくちゃハードでリバウンドする)ことが多いので、
カウンセリングの時にどんな指導をしているのか、しっかり把握した方が良さそうです。
こんな指導法は要注意
今からは実際にあった指導内容をご紹介します。
1. 有無を言わさず食事を減らされる
「白米は1食80g以内にして下さい」
「3食のおかずはこれを食べて下さい」
「1日トータルで1,300kcal以内にして下さい」
このように、決められた食事を続ける指導法をよく耳にしますが、
この指導法の問題は、そもそもなぜ太ったのか?という根本原因には全く目を向けていないことです。
数ヶ月間、マニュアル通りの食事制限で痩せたのは良いけれど、根本原因は解決できていないのでリバウンド・・・
この経過を辿る方を今まで沢山見てきました。
マニュアル通りの指導は大手のサービスに多い気がしますが、
・いきなり食事を減らすのではなく、生活スタイルやメンタルを考慮して調整してくれるか
・根本原因を一緒に探して解決してくれるのか
この2つをしっかり見極めて下さい。
2. 食べ過ぎたら怒られる
LINE等を使って食事報告をし、指導者からアドバイスをもらうスタイルのサービスがありますが、
お菓子を食べました!と報告すると、
「何で食べたんですか?」
「やる気あるんですか?」
と怒ったり、呆れたりする指導者がたまにいます。
怒られた直後は我慢して食べないのですが、だんだん誘惑に負けて食べちゃうんですよね。
そして以下の無限ループに入ります。
誘惑に負けて食べる→体重が減らないから隠れて食べていないか聞かれる→素直に食べたと伝えるとまた怒られる→少しは我慢できるけどやっぱり食べちゃう→体重が減らない→疑われる
最終的には食べ過ぎたことを隠すようになり、結果が出ずにサービス終了という形になります。
指導者が感情を出すと良いことないんですよね。
自分が大切にしているのは、
なぜ食べたくなったのかを一緒に考えるということです。
皆さんが時々「最近美味しいお菓子を見つけて、食べちゃったんですよね〜」と言われますが、
私がう〜ん・・・と悩んでいる姿をよく見ると思います笑
意志が弱くて食べ過ぎてしまったというよりかは、
ストレスや睡眠不足、生理前、栄養不足などがあって食欲が増したために食べ過ぎてしまったパターンが多いので、
まずは原因を考えるようにしています。
そして、自分の傾向を知ることで自分で何となく管理できるようになる。
ウェルボに通って頂いている間に、ここまで目指してもらっています。
卒業となるまで時間がかかってしまうこともありますが、なるべくリバウンドはさせたくないのでご理解ください。
3. 食事を減らしてサプリメントやプロテインに置き換える
「3食のうち1食をサプリメントやプロテインに置き換えて下さい」
この指導方法をめちゃくちゃ聞きます。
サプリメントとかプロテインの効果というよりも、
純粋に摂取カロリーが減るので痩せるのですが、このダイエット法はリバウンドする可能性大です。
痩せるまでずっと飲み続けられれば良いのですが、
大体途中で飽きて飲まなくなっちゃいます。
ダイエット期間が終わるまで飲み続けて痩せられたとしても、期間が終わって飲まなくなると普通に3食食べるようになりますので、
摂取カロリーが増えて徐々にリバウンド。
サプリメントやプロテインだけでなく、他の置き換えダイエットも含めて上手くいっている方をあまり見たことがありません。
話は変わりますが、置き換えダイエットの指導者が自社製品のサプリメントやプロテインを勧めてくることがあります。
パターンとしては以下の3パターンが考えられます。
① 会社からの指示でサービスとの抱き合わせで売ることが義務付けられている
② 指導者がお客様目線で考えて、市販の商品では足りない部分を補う意味で作った
③ 売り上げを少しでも上げたいがために作った
作った理由が①だけとか③だけの場合は、商品があまり良くない可能性がありますので、
その商品をなぜ作ったのか説明がしっかりとあり、商品の成分表示を見て市販のものより良かったり、自分の悩みにマッチしているものであれば購入しても良いと思います。
たまにサプリメントとかプロテインを作らないのですか?と聞かれますが、
一度、興味があって商品化の方法を調べてみたことがあるのですが、
個人で作ろうと思うと目玉が飛び出るぐらいお金がかかるのと、
作れたとしても商品代金が高額になってしまったり、市販の商品よりも味や栄養成分が劣ってしまうので、自分で作ることは諦めました。
自社で良い商品を作っている人は、おそらく採算度外視だと思うので本当に尊敬します。
4. 生活スタイルやメンタルを全く考慮しない
ダイエットのサービスを求めている方は、本当に生活スタイルがバラバラです。
・育児をしていて食べる暇がなく、1日2食になっている
・医療職で夜勤があり、生活リズムが乱れていてストレスフル
・平日はデスクワークでほとんど動かず、土日は外に出ず家でゆっくり過ごす
ウェルボでは、各々の生活やメンタルに合ったスタイルを提案するようにしていますが、
全く考慮せずにマニュアル化された指導をしているところがあります。
体重が50kgの人と80kgの人で同じ指導内容になっているサービスもあります。
ダイエットに成功するか否かは、メンタルを安定させて食欲をコントロールしたり、
いかにストレスにならないような痩せる生活スタイルを身につけるかにかかっていますので、
やはりマニュアル化された指導をしているところは避けた方が良いでしょう。
5. 体調が悪くなっても続ける
明らかに体調が悪くなっているのに、ダイエットを頑張って続けていた話をよく聞きます。
特にハードな糖質制限をしていた方に多いのですが、
・仕事に集中できなくなった
・空腹時にイライラする
・抜け毛が増えた
・トレーニング中に気を失った
・食べることが怖くなった(特に糖質)
・頬がこけて周りから心配されるようになった
・生理不順になった
こんな話をたくさん聞いてきました。
お客様は痩せたい一心で、その時はわからなかったと思います。
少しでも体調がおかしいな?と思ったら、一旦立ち止まってそのダイエット法を続けるかどうかを考えてほしいです。
脅すわけではありませんが、体調不良や代謝不良、摂食障害になってしまったら元の状態になるまで本当に時間がかかります。
ウェルボにも無理なダイエットで体がボロボロになった状態の方が来られますが、
痩せやすい状態になるまで数ヶ月から1年以上かかることがありますので、お願いですから無理はしないで下さい。
ビフォーアフターの闇
ダイエットサービスの中には、結果が出ているように見せるテクニックを使い、強引に集客をしているところがあります。
そのテクニックの一つが、ビフォーアフターの加工・修正です。
こちらのビフォーアフターの写真を見てください。
この写真を見て、すごい変わった!と思われたかもしれませんが、
Not a before / Not a afterと書いてあるように、これはヤセて体が変わったとかではなくポーズを変えて写真を撮っただけです。
こちらも姿勢が変わっただけですが、印象が全然違いますよね。
パーソナルジムやエステなどの店舗でサービスを提供している場合は、このようなビフォーアフターはあまり見かけませんが、
SNSのインフルエンサーや雑誌のモデルさんがよく使っているテクニックです(この2枚の写真は極端な例ですが)。
○○ザップさんもCMで使っていますよね。
ビフォーとアフターでポーズや姿勢、アングルや陰影が変わっている場合は要注意です。
スタイルがあまり変わっていないのに撮り方を変えて効果が出ているように見せる。
そして、このサービスorサプリメントやプロテインを利用したら痩せました!と宣伝する。
サービス提供者が案件としてインフルエンサーにお願いをしているパターンが多いですね。
写真の撮り方のテクニックに関しては、こちらのトレーナーさんが説明してくれていますので、興味がある方は見てみてください。
姿勢改善系の整体やジムでよく見るビフォーアフターとして、
トレーナーが「せすじを伸ばして〜」と声をかけていたり、O脚が治ったように見せるためにつま先の向きを誘導していることがあります(プロが見れば一発で分かります)。
世の中には、これは・・・と思うビフォーアフターの写真がたくさんありますので、よく目を凝らして見てみて下さい(加工されていて背景が歪んでいたりします)。
ちなみにウェルボでは、写真を撮るときは「なるべくリラックスして下さいね〜」と声かけをするようにしていますし、
方眼紙の前で足をピタッと閉じて立ってもらうように統一しています。
最後に
ウェルボに通って頂いている方々が、
怪しいものに引っかかったり、騙されないように。
無理なダイエットで体調を壊さないように。
努力が間違った方向へいかないように。
最小限の努力で済むように。
ウェルボはそのような願いと想いを持ち続けて、これからも皆さまを目標まで導いていきます。
書いているうちに段々とヒートアップして、今回は長文になってしまいました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。